リベラルアーツ英語検定クイズ英語の不思議 > 2016年07月21日更新分(1/1)

《第61問》
thanks「ありがとう」はなぜ複数形なのでしょうか。

正解

不正解

解説

 「ありがとう」の意味を強めるために –s 複数形になっているのです。本来 thank は「感謝」の意味を表す抽象名詞でした。ところが14世紀から「感謝」の意味を強めるために thanks という複数形が用いられるようになりました。例えば、1340年の作品『良心の呵責』(The Ayenbite of Inwyt) 18.6: Me .. him ne yeldeþ þonkes of his guodes, þet he ous heþ ydo. (=One does not pay him thanks of his property that he has done for us) 「彼がわれわれに作ってくれた資産について彼に感謝しなくてよい」。これを強意の複数と呼びます。much thanks、a thanks のように単数扱いの thanks もまれに見られますが、特に、16世紀以降、I give you my thanks. 「ありがとう」の形でしばしば使われるようになります。

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  17世紀頃から見られる congratulations 「おめでとう」も強意の複数ですが、これはthanks の類推から用いられるようになったと考えられます。なお、congratulations を結婚式で用いる場合、新婦に対して使うと失礼になると言われています。congratulations には「努力した結果におめでとう」という含意があるため、新婦に用いると「努力した結果、新郎と結婚できた」と解釈されます。従って、新婦には Have a happy life! 「お幸せに!」と言ったほうがよいでしょう。ただ、最近では congratulations の含意に関係なく、新婦にも Congratulations! と言うことも多いとか。

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