リベラルアーツ英語検定クイズロミオとジュリエット > 2015年10月10日更新分(1/1)

《第61問》
シェイクスピア時代の劇場経営について知る上での貴重な一次資料であるフィリップ・ヘンズローの『日記』(Henslowe's Diary, 1591-1609)の手稿原本が所蔵されている図書館はどれか?

正解

不正解

解説

ローズ座、フォーチュン座、ホープ座の経営者として知られるフィリプ・ヘンズロー(Philip Henslowe, ?-1616)の『日記』が所蔵されているのは、ロンドン南部サザック地区(Southwark)にあるダリッチ・カレッジ(Dulwich College)という公立学校の図書館である。

より詳しい解説を読む

この学校は1619年、ヘンズローの義理の息子で海軍大臣一座(Admiral’s Men) を率いた名優エドワード・アレン(Edward Alleyn, 1566-1626)によって創設された。アレンが継承したヘンズローの遺品の中には、当時の劇場経営と係る数々の貴重な品が含まれていたが、アレンはそれらをこの学校に寄贈した。その中でも、劇団の経営収支や興行収入、それに衣装や小道具などの購入記録や芝居の上演記録等が事細かく記されたヘンズローの『日記』は、『ロミオとジュリエット』が初演された当時の演劇文化を知る手がかりとなる貴重な資料である。日記の一部は破損している――破損した子葉の一部はボドレー図書館、大英図書館、フォルジャー・シェイクスピア図書館等に保管されている――ものの、特に1592年から1605年頃までの劇場経営に関する重要な記録の見える部分はきれいに修復され、ダリッチ・カレッジの図書館に所蔵されている。R. A. Foakes, ed, Henslowe's Diary (Cambridge: Cambridge University Press, 2002) でその内容を読むことができる。
 この学校の会議室には、アレンの等身大のものとされる肖像画がある。また同じ敷地内にあるダリッチ・ピクチャー・ギャラリーには、ベン・ジョンソンやリチャード・バーベッジなど当時の劇場人を描いた数々の貴重な肖像画も展示されている。これらもアレンが所有していたものとされる。

戻る 終了